映像作家 中川大己様によるAOKAシステマティック三脚レビュー

今回は映像作家の中川大己様にAOKAのシステマティック三脚TKPRO524C(link)をレビューしていただきました。

以前の柳瀬様の記事(link)に引き続き、機動性の高いシステマティック三脚がどのように撮影に役に立ったのか。どういった改善点があるのかをお聞きしました。

 

中川大己

映像作家
在学中に映像制作活動をスタート。留学、東南アジアでの放浪を経て、食の魅力と可能性に惹かれて新卒で農業ベンチャーに就職。その後、個人で続けていた映像制作活動を本格始動し、世界最大級のフード動画メディアにて勤務後、独立。 ドキュメンタリータッチを得意とし、食農分野でのTVCM、WEB CM、ブランドムービーを中心に活動中。

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農家さんや職人さんなど、生産者のあとを追いかけて撮影するドキュメンタリースタイルの映像を元々多く撮っていました。ほとんどの現場は少数精鋭。撮影部さんなどのスタッフはもちろん、アシスタントを連れていくこともができない場合も多く、機材は自分で取り回せる範囲で必要最低限のものをピックしていました。

三脚には、とにかく「機動力」と「安定性」を求めていますが、今回実際に現場で使ってみてAOKAシステマティック三脚TKPRO524Cはそんなドキュメンタリー映像現場において大変力を発揮してくれると実感しました。

 

機動力

ロケでの車の移動中、素敵な雲を見つけるとすぐに車を停めてとりあえず撮ります。特に風が強い日などはモタモタしていると一瞬で雲の形が崩れてしまうので、とにかく瞬時に運んで脚を広げられることが重要になるのですが、何も気にせずパッと均等に脚を開くことができるAOKAの三段式の構造はとてもありがたいです。

今回はフラットベース雲台を使用していたため、水平は脚の伸縮で調節していたのですが、8kgほどの機材重量があってもナットリングがスムーズに動き何のストレスもありませんでした。

そして何といっても軽い!車の入れない現場では機材一式を持って走って移動したりもするのですが、試しにAOKAの三脚をつけた状態のままカメラを手で持ち上げて移動したところ、一番脚が短い状態であれば地面に脚先がつくことなく、スムーズに移動ができました。

他メーカーの三脚をいくつか試した際にいつも直面するのが「安定=重い」ということ。軽さを求めると現場で使えるレベルの安定性がなく、安定性を求めるととにかく重い。AOKAはそのベストなバランスを担保していると感じました。

 

 

  
 

安定性

これまで最も苦労していたのがローアングル撮影。ハイハットやベビーといった別種類の三脚を持ち込むことなく、1本で全てのアングルを担える三脚をずっと探していましたが、カメラ重量に耐えられず折れてしまったものや脚の開きに安定性がなく現場での取り回しが悪いものなど数知れず... そんな悩みをAOKAが解決してくれました。

 

 

まずこの脚。他メーカーの三脚でこれだけ脚を開きたい場合はとにかくウエイトを脚先に積み上げたりしますが、ペタッと完全に安定しています。そして雲台下には絶妙な空間が開くように設計されており、小さめのボール雲台であれば水平調節もできそうです。これまで、田んぼや傾斜地などでローアングル撮影をしたい場合は雲台の下の部分をあえて地面に突き刺して安定させていたりもしましたが、そんな暴挙に及ぶこともなくなります。

 

段数変換もスムーズ。変換する脚を浮かせても、残りの2本の脚がしっかり地面と接着しているので全体がグラつくこともありません。

 

強めの風が吹いている中でタイムラプス撮影も試しましたが、全く問題なし。

芝生やコンクリートなどを問わず、試した限りどこでも同様に安定性を担保できている印象でした。使用前当初は、カーボン製ということでそこまで安定性への期待値は高くありませんでしたが、いくつかの現場で実際に使用してみてそれも覆りました。

  

もっと期待したい点

ロケでの使用については大満足の反面、スタジオでのブツ撮り等ではもうひと超え繊細な動きが欲しいなとも感じました。

例えば、伸縮のナットリングはスムーズではあるものの、モニターを見ながら直感的に2mm3mmの調整ができるクイックリリース機能のようなオプションがあってもいいかもしれません。 同様に、完全固定が求められるフィックス長回し撮影等の場合でも使用できるよう、ウエイトを置くための三脚スプレッダーもあるといいかもしれません。普段は機動力重視で外しておき、スタジオ撮影の時だけ装着できるような形が理想です。

  

3人がかりで上げ下げする従来の大きい三脚はとにかく重く、直感的にアングルを切り替えたくなっても時間がかかるため、例えば料理の撮影ですと一瞬の湯気を狙うためにその都度フードさんに作り直してもらわなければなりません。

柔軟性と安定性を一定レベル担保さえできれば、アングルや高低の微調整においての機動力の観点から僕はAOKAを選択したいです

  

と言いつつ、AOKAの主戦場はロケだと私は思いますので、もしロケとスタジオのどちらもまかなえるようになったらこの価格帯の三脚としては本当に革命と言えるでしょう。

長期間撮影による耐性についてはまだわかりませんが、ドキュメンタリー映像や機動力と安定性の両方が求められるロケ撮影においては間違いなく活躍できる三脚だと思います。

 

システマティック三脚

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