アルカスイスとは

アルカスイス互換? アルカスイス規格?

 カメラ機材を見ていると、必ずと言って良いほど目に入るアルカスイスと言う用語、今回はその特徴についてを掘り下げていきたいと思います。

 アルカスイスとは一言で言ってしまえば、こうしたホットシュー、クイックシューと呼ばれるカメラ取付用プレートの規格の一つで、カメラ本体と三脚の着脱をより素早く行うために用いられます。

こうしたプレートは、カメラ本体を簡単に素早く装着できることは勿論のこと、プレートを付けたままにしておけば、カメラ本体に直接ネジを締め付ける回数を減らすことも出来るため、カメラ自体のダメージを軽減する役割も担っています。

 

そもそもアルカスイスとは?

 実のところ、アルカスイスと言う規格が正式に存在するわけではありません。アルカスイスはフランスに本社を置く業務用機材メーカーであるアルカスイス・インターナショナルの事を指しています。

元々歴史ある大判カメラメーカでもありますが、一方で日本では同社の自由雲台であるモノボールシリーズや3ウェイギアヘッドD4シリーズ、3軸の微動による動きを可能としたキューブシリーズなどで知られています。

 値段も高額ながら、その精度や堅牢性は凄まじく、アルカスイス社のモノボールZ1+というモデルは耐荷重60㎏を実現しており、まさに自由雲台での最高峰と言えるでしょう。

もし重量級機材と自由雲台での運用が必要であれば、モノボール雲台にシステマティック三脚と言った組み合わせなどをお薦め致します。

 

 ホットシュー、クイックシューの問題点

 カメラに取り付けておくことで、素早い着脱を可能とするこのプレート機構は、多くのカメラマンにとって大変便利なものとなっています。一方で、大きなデメリットとされるのが、そのメーカー各社の規格の違いでした。

 例えば、一つのメーカーのプレート付き雲台を購入したとしても、その後別のメーカーのものを買い足したり買い替えをした際に、お互いに互換性が無いため毎回カメラ本体の取り付けプレートを交換しなければなりません。

こうした問題を解決するために、各社がアルカスイス社の製造したプレート規格に合わせた設計をするようになりました。

 

アルカスイスプレートの構造

 側面から見ると分かりやすいのですが、アルカスイスプレートはハの字型に設計されており、これを雲台側の同じくハの字型に切り込まれたクランプに万力の様な構造で挟み締め付ける事で固定できると言う非常にシンプルな構造となっております。

 一見シンプルで「え?ズレてしまわないの?」と心配になる人もいるかと思いますが、ちゃんと作られた互換品であれば、プレートと本体はピタッと重なり、ズラすことの方が難しいほどの強度です。

 それでも緩めてしまった際の落下防止措置を施しているメーカーもあります。例えば、AOKAのKGシリーズKFシリーズに付属している自由雲台BH-33とBH-40には取り外し可能なビスが付いていて、少し緩んでズレた際にも落下しない機構を採用しています。

 

アルカスイス互換の注意点

 さて、ここまでアルカスイス社のプレート規格について説明致しましたが、述べていてもお分かりになる通り、この規格はアルカスイス社や各メーカーが正式に採用している規格ではありません。アルカスイス社のプレートを、あくまで”互換”として各メーカーが製造しているのです。

 近年ではそこまで粗悪な商品は殆ど見られませんが、あくまで互換品ですので各メーカーによって若干の誤差は出る可能性があります。

勿論、そのメーカー同士での雲台とプレートの利用では問題無いでしょうが、あくまで互換品ですので、メーカーを跨いでの使用をする際には、撮影をする前にしっかりと固定されているかを確認する事をお勧め致します。

 

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